著者
田島 佳武 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.354-364, 2001-03-01
被引用文献数
13

本論文では適応型キャッシュを用いたリライアブルマルチキャストRMAC(Reliable Multicast using Adaptive Caching)のシステム並びにプロトコルの詳細を示し, その性能評価について述べる.リライアブルマルチキャストを効率的に行うためには, ネットワーク内での機能的な処理による支援が必須であるとの考えに基づき, RMACではRMACプロトコルを処理するルータを導入する.RMACによれば, ルータでパケットのキャッシングや再送を行うことで再送効率の向上を図ることが可能である.また, キャッシングをふくそうに応じて適応的に, ルータ間で分散して行うことで, 必要となるキャッシュ容量を低減することも可能である.シミュレーションによる性能評価により, RMACは従来の方式に比べて再送遅延を低減させ, 受信ホスト数に対するスケーラビリティを向上させることがわかった.