- 著者
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田嶋 英行
- 出版者
- 同志社大学
- 雑誌
- 評論・社会科学 (ISSN:02862840)
- 巻号頁・発行日
- vol.109, pp.63-99, 2014-07
ソーシャルワークは,クライエントの「存在を基盤にしたよりよい状態の増進」を図ることを目標としている。彼らがその環境と相互に影響し合う接点に介入し,さらに彼らが環境と「適合」することを目指していく。ただしその環境は,これまで,おもに自然科学としての生態学にもとづいて捉えられてきた。しかしながらクライエントは,もともと生態学が対象とするような有機体一般とは異なり,「実存」としてさらには「世界内存在」として存在する。それゆえ本稿では,クライエントが実際にそのように実存することをもとに,そもそも彼らにおける環境とは何かを明確にしたうえで,さらにそれら両者が適合することの意味を明らかにする。