著者
田幸 年邦 永浜 伴紀 野村 男次
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.513-518, 1977
被引用文献数
6 20

キサンタンガムの非ニュートン流動性および動的粘弾性について吟味を加えた.<br> キサンタンガムは,塑性流動を示し,配向性が著しく,アンドレード式に適合せずシグモイド曲線を示したことから,会合性多糖と結論された.<br> キサンタンガムの流動指数,構造粘性は濃度に関係なくほぼ一定値を示した.<br> キサンタンガムはη'に比較してG'が著しく大きく,tanδは0.4~0.5で,弾性に富む多糖であることがわかった.<br> キサンタンガムの水溶液に塩添加すれば,粘性の温度依存性がアンドレード式に適合するようになることを認めた.このことから,キサンタンガムの分子鎖間会合は塩添加により,ほぐれると結論できる.<br> このことから,キサンタンガムの分子鎖間会合には側鎖が著しく関与していることが示唆された.