- 著者
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清水 賢二
酒井 浩
木村 匡男
田後 裕之
髙橋 守正
- 出版者
- 一般社団法人 日本作業療法士協会
- 雑誌
- 作業療法 (ISSN:02894920)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.4, pp.495-502, 2020-08-15 (Released:2020-08-15)
- 参考文献数
- 13
要旨:聴覚失認とは,聴覚による言語や環境音の認知が困難になる状態であり,横側頭回や聴放線の損傷によって生じるとされている.今回,聴覚失認を呈した60歳代の症例を経験した.もともと社交的な本症例であったが,聞き取りの困難さから周囲との交流を避けるようになっていった.作業療法において読話を用いた視覚的代償戦略を用いることで,聴覚失認の症状自体は変化を得られないなかでもコミュニケーションの困難さを克服しだし,周囲との交流を取り戻し始めた.コミュニケーションの障害を言語機能障害ととらえず,生活障害としてとらえて,作業療法士も積極的に介入していく必要がある.