著者
田村 盛彰
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.251-257, 1990
被引用文献数
2 4

長岡における気温別降水種 (降雪, みぞれ, 降雨) 出現頻度, 気温別日降雪量を近年の多雪年, 少雪年, 並年, である1963年, 1966年, 1969年の3冬 (12月~3月) について, 新潟地方気象台長岡気象通報所の観測資料を用いて統計的に解析した.その結果, 以下の知見を得た.<BR>(1) 降雪時の気温の範囲は-6℃から+6℃である. (2) 気温範囲0~1℃で降雪出現頻度が最大である. (3) 降雪時の平均気温が-1~1℃の範囲で1冬の累積降雪量が最も多い. (4) 降雨時の気温は0℃以上である.ほとんどの降雨は2~5℃で出現し, 2℃以下0℃へと気温が低下するにつれ減少する. (5) 日降雪量が1cm以上ある日の降雪時平均気温の範囲は-4~+3℃である.日降雪量の99%以上が降雪時平均気温2℃未満の日に生じる. (6) 判別気温以下で生ずる降水を雪と, それ以上での降水を雨と判定するとき, 雪とみなした降雨頻度と雨とみなした降雪頻度の和の全降水頻度に対する割合 (誤認率) は判別気温が2℃から3℃の間で最小値をとり, その値は8~10%であった.
著者
熊倉 俊郎 陸 旻皎 石坂 雅昭 田村 盛彰 山口 悟
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

季節的な大雪や強い降雪は雪国の社会生活に危険を及ぼす。これを避けるために除雪、防護柵設置、安全情報の配信などが行われているが、その際に、本来利用したいのにできないのが、雨か雪かあられかの降水種別情報である。理由は、粒子種別を正確にかつ簡易的に自動で行う機器がないためである。そこで、ここでは簡易的な雨・雪・あられの判別器を試作し、特別なデータ処理により、自動では難しいとされる雪とあられの判別率を8割にまで高めた。また、この降水種別データを用い、未解明な課題に対して新たな知見を得た。