著者
中根 俊成 池田 徳典 佐藤 伸一 田村 直人 樋口 理 鈴木 隆二 坪井 洋人 伊原 栄吉 宋 文杰 川上 純 佐藤 和貴郎
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

自己免疫性自律神経節障害は自律神経系が免疫異常の標的となる比較的新しい疾患概念である.本症では抗自律神経節アセチルコリン受容体抗体は病原性自己抗体として病態の鍵となる役割を果たす.自己免疫性自律神経節障害は自律神経系外の症候や膠原病などの併存,小児症例が存在する.こういった「多様性」が本症の診断しにくさ,難治化につながっている.本研究では1)自己抗体の病原性検証,2)病態モデル開発,3)小児症例,膠原病症例における臨床的特徴の解析,を遂行する.「複雑な病態と臨床像=多様性」への多角的アプローチが自己免疫性自律神経節障害の診断基準作成,治療ストラテジーの確立に貢献すると考えられる.
著者
田村 直人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.10, pp.2465-2472, 2014-10-10 (Released:2015-10-10)
参考文献数
10

全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は多様な病態を示し,高頻度に再燃や持続性の活動性病変を呈する難治性の自己免疫性疾患である.最近,新たなSLE分類基準,ループス腎炎の治療やTreat to Targetのための診療のリコメンデーションなどが相次いで提唱されている.また,抗マラリア薬やミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate mofetil:MMF)は国際的にSLEの主要な治療薬となっており,国内でも早期の適応承認が期待されているほか,新たな分子標的治療薬も開発されている.