著者
田村 節夫
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.68, no.15, pp.2108-2115, 1982-11-01 (Released:2010-01-19)
参考文献数
53

高炉耐火物の損傷機構と対策,および耐火物侵食診断技術の現状について概説した.耐火物は種々の原因によつて損傷されるが,いずれにおいても,何らかの形で炉内温度変動が関与しており,損傷の直接原囚として,遠因として,あるいは加速要因として作用する.従つて,炉況の安定が耐火物損傷防止の基本であり,また逆に損傷防止が炉況の安定につながることから,耐火物の寿命延長と安定操業は不可分の関係にある.また損傷機構の解明は,耐火物の材質・構造選定の上からも重要であり,このため損傷過程にある耐火物サンプルの解析あるいは試験室的な損傷状況の再現試験が有力な手段となろう.診断技術については,単に侵食量の推定だけでなく,れんが内で生じる現象,たとえば,き裂の発生,れんがの変質,溶銑の侵入,付着物の形成などの検出,推定まで含めた診断技術の開発が必要である.
著者
田村 節夫
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.68, no.15, pp.2108-2115, 1982

高炉耐火物の損傷機構と対策,および耐火物侵食診断技術の現状について概説した.<BR>耐火物は種々の原因によつて損傷されるが,いずれにおいても,何らかの形で炉内温度変動が関与しており,損傷の直接原囚として,遠因として,あるいは加速要因として作用する.従つて,炉況の安定が耐火物損傷防止の基本であり,また逆に損傷防止が炉況の安定につながることから,耐火物の寿命延長と安定操業は不可分の関係にある.<BR>また損傷機構の解明は,耐火物の材質・構造選定の上からも重要であり,このため損傷過程にある耐火物サンプルの解析あるいは試験室的な損傷状況の再現試験が有力な手段となろう.<BR>診断技術については,単に侵食量の推定だけでなく,れんが内で生じる現象,たとえば,き裂の発生,れんがの変質,溶銑の侵入,付着物の形成などの検出,推定まで含めた診断技術の開発が必要である.