著者
石田 良作 青田 精一 田村 良文 渡辺 好昭
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報
巻号頁・発行日
vol.20, pp.9-10, 1985

新潟県下約20ケ所について, 59年豪雪による大小麦の被害を調査した。本年は10月播種時の天候不良, 早い根雪, 遅い融雪が重なって雪害が助長され, とくに播き遅れ圃場, 排水不良圃場で被害が著しかった。しかし, 適期播種, 排水対策を行なった圃場では130日を越える根雪でも, 300kg以上の収量が見込まれた(ミノリムギ)など, 改めて基本技術の重要性を再認識する結果となった。
著者
田村 良文 石田 良作 星野 正生
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-9, 1981-04-30

本研究では秋季自然条件下に生長した栄養生長期のイタリアンライグラスにおける非構造性炭水化物(NSC)の含有率およびそれに関連する特性の品種,あるいは個体間差異を究明し,育種への基礎的な資料を提供することを目的とし,本報では4倍体イタリアンライグラス28品種を用い,品種間差異を検討した。1)茎のNSC含有率については,Lolium multiflorumがL. westerwoldicumに比較して,また,L. multiflorumの中ではヨーロッパ原産の品種が日本およびウルグアイ原産の品種に比較して,あるいは晩生が早生に比較して高い値を示す傾向が認められた。また,この傾向は11月21日に比較して,より低温,低日射量条件であった12月12日においてより顕著であった。2)茎と葉身のNSC含有率間には高い有意な正の相関が認められた。3)アルコール溶性区分法により分画された単・少糖類およびフラクトサンのいずれの含有率にも明確な品種間差異が認められた。4)NSC含有率の品種間差異は主としてフラクトサン含有率の,とくに80%および70%エタノールにより抽出される相対的に低分子のフラクトサン含有率の品種間差異に起因しており,単・少糖類含有率の品種間差異とは明確な関係を示さなかった。5)草種あるいは原産地により分別された各品種群内では,NSC含有率が高いほどフラクトサンの平均的な重合度も高い傾向を示すものと推察された。6)NSC含有率と茎の乾物率間には,全品種を込みにした条件下で,極めて高い有意な相関が認められた。茎の乾物率はNSC含有率の品種間相対差を表わす指標になりうるものと考えられる。