- 著者
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朝倉 奈都
沖津 宏
武知 浩和
清家 純一
田渕 寛
佐尾山 信夫
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学 (ISSN:02872137)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.4, pp.284-290, 2000
- 参考文献数
- 15
症例1は48歳, 女性。1998年3月末より嗄声, 喘鳴が出現し4月に当科受診。頚部CTにて右葉を中心に甲状腺全体の腫大を認め, 吸引針生検では悪性リンパ腫(B-cell type)との診断が得られた。気管支鏡検査では右反回神経麻痺, 声門及び上部気管の右側からの圧排狭窄を認めた。入院後5月11日よりCHOP5クールと放射線照射を計40Gy施行し, CRが得られた。症例2は58歳女性。1998年10月頃より嗄声, 労作時呼吸困難に気づき11月来院。造影CTでは甲状腺全体の腫大による気管狭窄を認めた。吸引針生検ではclass IIであったが, 気管支鏡所見では左反回神経麻痺, 著明な気管狭窄, 粘膜下浸潤を疑わせる発赤を認め, 超音波所見でも強く悪性リンパ腫を疑い12月7日よりCHOP5クールと放射線照射計40Gyを行った。治療開始とともに約1週間で嗄声, 呼吸困難等の症状は劇的に改善し, さらにCRが得られた。2症例ともに1999年12月の現在, 再発の徴候はない。