著者
垂水 浩幸 田渕 篤 吉府 研治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1322-1331, 1995-06-15
参考文献数
16
被引用文献数
14

本論文では、著者らの開発したグループウェア開発支援環境「育組」(いくみ)と、UNIX上のルールベース電子メール基盤「め組」(めぐみ)によるワークフロー定義、制御、監視の方式について述べる。このシステムでは・め組のルールによる制御機能を利用して、ルールによる帳票回覧を実現し、それによって業務の運携を図ってワークフローの運用を実現する。ワークフローの進捗は各作業者の着信、開封、受理、送信の各タイミングで記録され、監視・報告される。ワークフローは育組によってチャート形式で定義できる血育組ではワークフローの分岐条件等もほとんどマウス操作だけで定義できるので、エンドユーザの力で定義できる範囲は広くなっている。このように定義されたワークフローはルールに変換され、め組に提供される。本システムの特徴は、ワークフローを集中制御するサーバを持たず、また組織間のリンクは電子メールのみで良い点にあり、これによって組織をまたいだワークフローの運用も容易になる。