- 著者
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西来 邦章
竹下 欣宏
田辺 智隆
松本 哲一
- 出版者
- 一般社団法人 日本地質学会
- 雑誌
- 地質学雑誌 (ISSN:00167630)
- 巻号頁・発行日
- vol.120, no.3, pp.89-103, 2014-03-15 (Released:2014-07-26)
- 参考文献数
- 28
- 被引用文献数
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四阿火山において地質調査,K-Ar年代測定および全岩化学組成分析を行い,火山活動史の再検討を行った.本火山は噴出物の分布と地形の開析の程度差,活動年代および全岩化学組成から,3つの火山体(初期火山体,根子岳火山体,浦倉山火山体)からなる.本火山の活動は,約80万年前に開始した(初期火山体の活動).約70万年前には,根子岳周辺でデイサイトの火山活動が発生し(根子岳火山体の活動),数万年間で山体が形成された.初期火山体は約55万年前まで活動が継続したのち,5万年程度の活動休止期を挟み,約50万年前には,浦倉山周辺で安山岩の火山活動が発生した(浦倉山火山体の活動).この火山体の活動は約45万年前には終息した.そして,約30万年前には,四阿火山の北西方において小規模な火山体(鳴岩火山)が形成された.