著者
田近 肇 片桐 直人 重本 達哉 大石 眞 竹内 康博
出版者
近畿大学
雑誌
科学研究費助成事業研究成果報告書 (2016)
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2017

研究成果の概要(和文):本研究では、イタリア、ドイツ、オーストリア及びフランスの4か国の墓地埋葬法制の全体像を明らかにし、それらの国々において①墓地を設置するのは原則として市町村であり、市町村は住民に対して墓地を提供する義務を負うものとされていること、②市町村が墓地を規律するに際し、宗教的少数派の信教の自由に配慮して一定の積極的施策が行われていることを明らかにした。③また、墓地の規律において、公衆衛生の確保、個人の信教の自由以外に、土壌・水質の保護といった環境利益、歴史的な文化財の保護といった文化的な利益、都市計画との適合性も考慮されていることを明らかにした。研究成果の概要(英文):Through this study, we analyzed cemetery laws in the European nations, such as Italy, Germany, Austria and France, and clarified (1) that cemeteries are usually managed by the local public entities and these entities have the legal duty to offer cemeteries to their residents in those nations and (2) that some accommodations are made in order to assure the religious freedom of religious minorities. We also clarified that, besides the religious freedom and the sanitary interests, some environmental interests, like protection of soil and water, some cultural interests, like protection of historical assets, and the coherence to the city plan are taken into consideration in regulating cemeteries.
著者
田近 肇
出版者
岡山大学法学会
雑誌
岡山大学法学会雑誌 (ISSN:03863050)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.366-334, 2012-12
著者
田近 肇 片桐 直人 上田 健介 重本 達哉
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、ドイツ、オーストリア、イギリス及びイタリアの墓地埋葬法制を比較法的な観点から分析した結果を踏まえて、①わが国においても憲法13条によって葬送の自由、すなわち「死後、自らの死体(遺骨)をどのように取り扱ってほしいか」についての故人の意思を尊重すべきことが要請されると考えることができる反面で、②死者は敬意をもって葬られるべきことはわが国でも変わらないところ、③わが国では国レベルでの法令、少なくとも墓地埋葬法上はその調整に係るルールに乏しいことを確認し、そうしたルールの法制化の必要を提唱した。