著者
田邊 力 曽田 貞滋
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日本産アマビコヤスデ属とババヤスデ属を対象に、種分化と体サイズ及び体色擬態についての関係、体サイズ進化要因について調べ、以下の結果を得た。(1)分子系統推定の結果から、アマビコヤスデ属では本州、四国、九州に分布する小型種(3.5~4cm)アマビコヤスデから3種程度の大型種(4.5~6cm)が分化しており、大型の一種は分化後にアマビコヤスデと交雑していると推定された。(2)キイロヤドリバエの寄生はアマビコヤスデの体サイズ小型化への選択圧となっている可能性がある。(3)アマビコヤスデ属とババヤスデ属の間で確認された体色ミュラー型擬態の進化においてババヤスデ属における多発的種分化の関与が示唆された。