著者
西本 眞 西原 利典 井上 芳文 内海 良一 大隈 教臣 由利 直子
出版者
広島大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13444441)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.93-108, 2003-03-28

「生徒自身の手で自律した体育祭を創る」・・・・・・2002年2月2日付けで高校体育祭運営局から提示されたコンセプトである。それより遡ること4ヶ月前の2001年11月,高校生徒会執行部から2002年度「学校祭」基本方針(案)が提出された。その冒頭に次のように謳ってある。「学校祭(文化祭・体育祭)は,本校の伝統的校風である自出・自主・自律の精神を発現する場であり・・・・・・(中略)・・・・・・主体的な学習の場である。(後略)」生徒たちの中には学校行事を「学びの場」として捉え,それを「自律的に」運営していこうという意識がある。これは今に始まったことではなく,長年本校で培われてきた精神である。ではそれを支える教職員側の意識・態勢はどうであったのか。本稿は2000年度入学生を受け持った6人の担任団がどの場面で何を学ばせようと意図して「学びの場」としての行事を仕掛けていったのか,その実践の記録である。