著者
田中 陽平 高野 弘基 滑川 将気 鈴木 倫明 源甲斐 信行 阿部 博史
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10825, (Released:2020-12-15)
参考文献数
15

要旨:症例は47歳女性,廊下で倒れているところを発見され当院に救急搬送された.診察上左共同偏視,全失語,右重度片麻痺,右半側空間無視を認めた.頭部MRIは左中大脳動脈M1近位閉塞を認めた.経皮的血栓回収療法を行い完全再開通を得た.術後,3D-CTAで左内頸動脈起始部に突出する構造物を認め,carotid webと診断し,他に塞栓源を認めなかったため,この病変が塞栓源であると考えた.Carotid webに対し頸動脈ステント留置術(CAS)を行い,術後経過は良好である.Carotid webは頸部内頸動脈起始部後壁にできる棚状構造物で,脳梗塞の塞栓源の一つと考えられている.内科的治療単独では高率に脳梗塞を再発するといわれており,外科治療が考慮される.本例のように,carotid webに対するCASは安全に施行可能であり,有用な再発予防の選択肢の一つと考える.
著者
小林 和人 小林 憲太 甲斐 信行 八十島 安伸
出版者
福島県立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究課題では、イムノトキシン細胞標的法を利用して、弁別学習の発現における2種類の線条体投射経路の行動生理学的な役割を解析した。線条体-黒質路を除去したマウスの解析から、線条体-黒質路は、主に、弁別学習の反応速度の促進に関与し、反応の正答率には顕著な影響を及ぼさないことが示唆された。また、線条体―淡蒼球路を除去したラットの解析から、線条体-淡蒼球路は、弁別学習の正答率の向上に主要な役割を持ち、反応速度には顕著な影響を及ぼさないことが示唆された。