- 著者
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富田 望
甲斐 圭太郎
南出 歩美
熊野 宏昭
- 出版者
- 一般社団法人 日本認知・行動療法学会
- 雑誌
- 認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.3, pp.261-272, 2021-09-30 (Released:2022-01-12)
- 参考文献数
- 30
本研究では、自己注目を誘発する音刺激を含めた注意訓練法(ATT)を作成し、通常のATTとの効果を比較した。社交不安傾向者30名を自己注目ATT群と通常ATT群に割り当て、各ATTを2週間実施し、介入前後で社交不安症状、能動的注意制御機能、スピーチ課題中の自己注目の程度や翌日の反芻(PEP)が変化するかを検討した。その結果、両群で社交場面への恐れは低減したが、自己注目ATT群で減少量が大きいことが示された。観察者視点による自己注目は両群ともに減少したが、PEPは自己注目ATT群にのみ減少が見られた。以上より、自己注目を誘発する刺激を使ったATTでは、SAD症状やPEPに対する効果が大きいことが示唆されたが、その作用機序の違いに関してはさらなる検討が必要と考えられた。