著者
黄 禹錫 金 賢一 李 殷松 林 正黙 廬 湘鎬 申 泰英 黄 光南 李 柄千
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-5, s・viii, 2000-01
被引用文献数
8

血清無添加で,"HanWoo"(Bos taurus coreanae)の卵子を牛卵管上皮細胞(BOEC)と共培養し,産生された組織増殖抑制因子metalloproteinase(TIMP)-1の精製純化と,胚の発育効果を調べることを目的とした.TIMP-1はHPLC-System(Perseptive Biosystems Inc.,U.S.A)とゲルろ過法により精製純化し,分子量はSDA-Page(Bio-Rad Co.,U.S.A)により32kDa蛋白質であることが明らかとなった.培養BOECのTIMP-1局在を,isothiocyanate蛍光染色標本で証明した.血清無添加培養液にTIMP-1を,0,1.25,2.5ならびに5μg/mlの割合で加え,体外受精により得られた胚の発育を観察した.この結果,2.5μg/ml添加で桑実胚と胚盤胞への発育効果を認めた.今回の試験から,BOECはTIMP-1を産生し,この糖蛋白質は"HanWoo"(Bos taurus coreanae)体外受精卵の発育を桑実胚と胚盤胞へ促進した.