- 著者
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林 行雄
上林 卓彦
柴田 政彦
真下 節
駒村 和雄
畔 政和
- 出版者
- 大阪大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2001
(1)ラット脳死モデルの確立Pratschkeらの方法(Transplantation 67:343-8,1999)に基づいて、脳死導入時の循環動態の安定と脳死導入後に長期(ほぼ3-4時間)に循環動態が維持できるモデルを確立した。(2)脳死における揮発性麻酔薬の心筋感作作用現在臨床で広く用いられているイソフルレンおよびセボフルレンはハロセンに比べると心筋感作作用は弱かったが、麻酔薬を投与しない脳死ラットに比べて心筋感作作用を増強した。この事は脳死患者でのこれらの使用は不整脈の危険性が潜在的にある。(3)脳死後の心機能保護に関する研究脳死後、心臓を致死的な不整脈から守るため循環抑制が少なく、抗不整脈作用を有する薬剤のスクリーニングをハロセン-エピネフリン不整脈モデルを用いて行い、ミトコンドリアATP感受性Kチャンネル開口薬であるニコランジルがこの目的に一番かなう薬剤と考えられた。(4)周術期中枢神経による循環制御周術期不整脈のモデルであるハロセン-エピネフリン不整脈を用いて不整脈発生における中枢神経の役割を検討した。イミダゾリン受容体1が不整脈の発生を抑制することを見いだした。(5)心臓移植周術期における内因性体液調整因子の変化心臓移植手術および重症心不全に対する左心補助人工心臓植え込み術を対象にしてアドレノメデュリンに着目し、その周術期変化を調べ、人工心肺離脱後に著明な上昇を認め、心臓移植術の方がその上昇はより著明であった。人工心肺時間はほぼ同じであるが、心停止時間が心臓移植術でより長い点に着目し、本結果はアドレノメデュリンが心筋障害と関連が深い事を示唆するものであると考えている。(6)心臓移植術の麻酔管理のモニタリングの研究心臓移植術の麻酔管理では右心機能のモニターを有するスワンガンツCCO/CEDVサーモダイリューションカテーテル^<【○!R】>の有用性を示した。