- 著者
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神山 かおる
中山 裕子
佐々木 朋子
福島 富士子
畠山 英子
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本咀嚼学会
- 雑誌
- 日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.2, pp.75-81, 2003
この研究は, 食事一食分の咀嚼量を筋電図により定量化する試みである. 和・洋の4種類の食事メニュー摂取挙動を, 咀嚼筋筋電位とビデオ観察を用いて解析した. 一食分量の咀嚼量を, 特に主食 (米飯類またはパン) について比較した.<BR>軟らかいパンであっても白飯より咀嚼量は高値であった. 和食では各料理がバランスよく咀嚼されるのに対し, 洋食では主食であるパンに咀嚼量割合が偏る傾向にあった.<BR>厚生労働省基準による「かたさ」で咀嚼困難者に適するとされても, フランスパンなどの咀嚼量が多く噛みにくい食品が存在した.<BR>近年の食事における咀嚼不足の傾向は, 食の洋風化の影響ともいわれているが, 洋食化が咀嚼量を減らすとは限らないことが示唆された.<BR>軟らかく調理された全粥を白飯と比較すると, 同一エネルギーを摂取するために, 粥では容積が増すため, より多数回・長時間の咀嚼を必要とした. この事実は, 軟らかい食品が必ずしも食べやすいとは限らないことを示している.