著者
岡田 理菜 田畑 優貴 疋田 隼人 西村 有起 山田 知美 竹原 徹郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.12-18, 2024-01-01 (Released:2024-01-10)
参考文献数
3

臨床研究においてデータの信頼性は重要であるが,データの品質管理体制が整っている観察研究は少ない.本研究ではC型肝炎ウイルス排除治療を行ったC型肝硬変症例を対象とした多施設共同観察研究の品質向上を目的として,研究事務局に品質管理担当者を配置し,クエリ内容や傾向を検討した.対象となる研究には2019年から2021年までに369症例が登録され,REDCapシステムによりデータ管理を行い,定期的に入力促進及びデータチェックを実施した.2020年から2021年までに発生した847クエリを「未入力」と「データ関連」に分類したところ,「未入力」が617クエリ,「データ関連」が230クエリであり,全クエリが解決された.半年毎のクエリ内容の推移は,「未入力」は減少傾向であったが,「データ関連」は残存した.品質管理担当者を配置することで,データの品質が向上し,観察研究の質の向上につながる可能性が示唆された.
著者
竹原 徹郎 巽 智秀 疋田 隼人 田中 聡司 坂根 貞嗣
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

肝細胞株にパルミチン酸を投与するとRubiconの発現上昇を伴うオートファジー抑制を認めた。Rubiconを抑制するとパルミチン酸投与によるアポトーシスと脂肪蓄積は軽減した。Rubiconの発現増加はパルミチン酸投与によるRubiconの分解抑制が生じることによるものであった。高脂肪食摂取マウスにおいてもRubiconの発現増加を伴うオートファジーの亢進を認めた。肝細胞特異的Rubicon欠損マウスでは高脂肪食によるオートファジー抑制が改善し、肝脂肪化とアポトーシスが抑制された。ヒトの脂肪肝検体においてもRubiconの発現増加が確認された。