著者
白石 さやか 渡邉 泉 久野 勝治
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.829-837, 2002
被引用文献数
5 6

東京都内の主要道路から, 道路粉塵, 街路土壌および街路樹の葉を採取し, Mn, Fe, Cu, Zn, Cd, Pt, Pb濃度を測定した。交通量が最大であった環状七号線の道路粉塵は, 高濃度のCu, Zn, Pt, Pbが検出され, 自動車走行の影響が推察された。<BR>街路樹葉の重金属濃度はいずれも, 非道路脇で採取された試料の約1~4倍であった。樹種による濃度差が顕著であり, オオムラサキで最高, イチョウで最低となった。重金属類は葉内あるいは葉表面に蓄積され易く, 樹種による濃度差は, 植栽の高さや葉の性状の違いに起因することが考えられた。街路樹種の選定に金属捕捉の視点を加味することは, 効果的な道路周辺環境の改善に活用できよう。