- 著者
-
白石 理佳
牛見 悠奈
中田 和義
- 出版者
- 応用生態工学会
- 雑誌
- 応用生態工学 (ISSN:13443755)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.2, pp.115-125, 2015-12-28 (Released:2016-02-01)
- 参考文献数
- 21
- 被引用文献数
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8
4
在来生態系への影響が問題となっている緊急対策外来種のアメリカザリガニを効率的に捕獲駆除できる篭および篭に用いる餌の種類を明らかにすることを目的とし,岡山市半田山植物園内の池で,篭の種類によるアメリカザリガニの捕獲効率比較実験(実験1)と篭に用いる餌の種類によるアメリカザリガニの捕獲効率比較実験(実験2)を行った.実験1 では,アナゴ篭,カニ篭,エビ篭を用いて,篭の種類別に本種の捕獲個体数を比較した.実験2 では,練り餌,チーズかまぼこ,冷凍ザリガニをエビ篭に用いて,餌の種類別に本種の捕獲個体数を比較した.実験1 の結果,アメリカザリガニはエビ篭で最も多く捕獲された.またエビ篭では,カニ篭とアナゴ篭に比べ,小型個体から大型個体までを含む幅広い体サイズのアメリカザリガニが捕獲された.実験2の結果では,練り餌を用いた場合で捕獲個体数が最大となった.以上,実験1と2 の結果から,アメリカザリガニの駆除を効率的に行うには,練り餌を餌としてエビ篭を用いるのが良いと結論した.