著者
白鳥 美穂
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.769-773, 2016 (Released:2016-08-01)
参考文献数
21

アトピー性皮膚炎などに伴う慢性的な痒みは、難治性で患者のQOLを著しく低下させるため、その制御が課題とされているが、メカニズムは未だ不明な点が多い。最近、我々は、アトピー性皮膚炎モデルマウスを用いて、慢性的な痒みにおける脊髄変化の重要性を初めて見出した。この発見は、皮膚変化を中心に進められてきた慢性的な痒み研究に新たな方向性を与えるとともに、有効な治療薬創出に対する脊髄研究の大きな可能性を提示した。