- 著者
-
宮城島 一史
石田 和宏
対馬 栄輝
百町 貴彦
柳橋 寧
安倍 雄一郎
小甲 晃史
- 出版者
- 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
- 雑誌
- Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.9, pp.1188-1193, 2021-09-20 (Released:2021-09-20)
- 参考文献数
- 14
はじめに:本研究の目的は,腰椎椎間板ヘルニア(LDH)術後超早期の腰椎伸展運動の即時効果を調査することである.対象と方法:対象は,LDH摘出術を実施した32例とした.術後2~3日目に10分間の腰椎伸展運動(腹臥位での腰椎持続伸展保持)を実施した.結果:手術によりいずれの症例も症状は改善したが,更に10分間の腰椎伸展運動を行うことにより,腰痛・下肢痛・しびれのVAS(mm)は有意に改善した(腰痛27.7→17.8,下肢痛4.5→2.2,しびれ11.4→7.7,それぞれp<0.05).改善15例(46.9%),不変17例(53.1%)であり,悪化例は存在しなかった.10分間の腰椎伸展運動後,8例(25.0%)で腰痛が即時的に消失,3例(9.4%)で下肢痛・しびれが即時的に消失した.また,1例は下肢症状の範囲が即時的に縮小し,下腿後面と足部の痛みが足部の痛みのみとなった.患者満足度(VAS)は81 mmと良好であった.結語:術後超早期の腰椎伸展運動は,悪化例は存在せず,即時的な腰痛の軽減が得られ,安全かつ有効な理学療法であることを示唆した.