著者
宮城島 一史 対馬 栄輝 石田 和宏 佐藤 栄修 百町 貴彦 柳橋 寧 安倍 雄一郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.291-296, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

【目的】本研究の目的は,腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対する入院中の電気療法の継続効果を検討することである。【方法】対象は,腰椎後方手術後に下肢症状が遺残した50 例とし,症状部位に10 分間電気療法を実施した。入院中に電気療法を継続した例(電気継続群),電気療法の継続を中止した例(電気中止群)の2 群に分類し,下肢症状のVAS を調査した。【結果】電気継続群は39 例,電気中止群は11 例であった。電気継続群のVAS(術前→初回電気療法前→退院時)は70 →40 →14 mm であり,各時期で有意差を認めた。電気中止群のVAS は63 →45 →41 mm であり,初回電気療法前から退院時で有意差を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果,退院時のVAS(オッズ比:1.04)が選択された。【結論】腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対し,入院中に電気療法を継続した群は,退院時の症状の回復が良好であった。
著者
石田 和宏 対馬 栄輝 梅野 恭代 佐藤 栄修
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.731-737, 2011 (Released:2012-02-04)
参考文献数
17

〔目的〕本研究の目的は,brief scale for evaluation of psychiatric problems in orthopedic patients (BS-POP)における測定の信頼性を求めることとした.〔対象〕BS-POPには,“患者用”と“治療者用”が存在する.対象は,“患者用”で慢性腰痛者10名,“治療者用”で腰椎椎間板ヘルニア患者42名とした.〔方法〕“患者用” と“治療者用”の検者内・検者間信頼性を求め,各質問項目別ではκ係数,順位相関係数,一致度を指標とした.〔結果〕“患者用”のICC(1,1)は0.98,“治療者用”のICC(1,1)は0.90,“治療者用”のICC(2,1)は0.87であった.質問項目別では“治療者用”における検者間信頼性の2項目を除き,κ係数あるいは順位相関係数にて中等度以上の相関または81%以上の高い一致度を示した.〔結語〕BS-POPにおける測定の信頼性は全般的に良好であった.しかし,“治療者用”の一部の項目では,検者間信頼性が低かった.