著者
皆川 勝 中村 遼太 高橋 翔天
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_191-I_198, 2015 (Released:2016-01-31)
参考文献数
28
被引用文献数
1

2011年3月11日に発生した東日本大震災では,多くの人的被害が生まれた.なかでも、発生頻度のまれな津波からの避難に際して,人間の心理要因がマイナスに働いて被害が拡大した事例が存在する.これまで災害心理学の観点かこの問題に関する研究は行われてきたものの、本問題に対して個々人の心理要因を土木技術の視点から分析した研究は見当たらない.そこで、本研究では、特に被害規模が大きく社会的関心をとらえた課題について、具体事例における関係者の行動を社会心理学的観点から分析し,人間の根源的本能や欲求を著者らの集団・達成・自律という3つの志向性に基づいて考察した.
著者
西 喜士 皆川 勝 五艘 隆志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F5(土木技術者実践) (ISSN:21856613)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.43-51, 2020 (Released:2020-05-20)
参考文献数
13

設計積算ミスによる入札中止などの手続は多くの地方自治体で発生しており,これにより本来整備されるべき公共施設の整備が遅れるなど住民サービスに多大な影響を及ぼし社会問題となっている.加えて,設計積算ミスは職員のモチベーションの低下につながる.設計積算ミスの防止に対して,各地方自治体は,地方自治体内部に委員会等を設置し検討しているが,確固たる原因分析モデルや防止対策等を構築できていないのが実情である.特に,この問題を学術的に研究している事例は見受けられない. 本論文では,第一筆者の勤務している地方自治体における設計積算ミス多発事態の原因を分析し,近年において設計積算ミスが社会問題となった理由等を分析する.