著者
益川 弘如
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.330, pp.53-58, 2002-09-13
被引用文献数
1

教育評価は、学習者がどれだけ学んだのか、効果的な授業カリキュラムであったかを測定するため重要であるが、きちんと評価すること自体難しい。最近の「学び」に対する見直しと研究成果から、学習とは協調的な場の中で学習者自身が複数の事例や経験を元に知識を構成していく過程であることが分かつてきている。このような学習目標の変化から、学習評価の方法も根本から変わってきている。本報告ではこのような変化に呼応して、学習過程そのものを評価する方法を提案したい。対象は「各自で調べて発表する」「互いの発表を関連付ける」「統合する」の3フェイズが組み込まれた授業カリキュラムに、ノート共有吟味システムReCoNoteを導入した授業である。支援システムの導入により記録可能となった学習者の学習活動について、想定していた知識構成活動が活発に起きていたかを検証した。結果、学習者の積極的な学習プロセスを見ることができ、授業デザインによる効果を評価することができた。