著者
田 栄富 盧 虹
出版者
久留米大学経済社会研究会
雑誌
経済社会研究 = The journal of the Society for Studies on Economies and Societies (ISSN:24332682)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.41-60, 2019-09-25

介護サービス利用者数の増加及び介護重度化が介護費用を膨らませた。営利法人が参入できる居宅サービスや地域密着型サービスの給付費も大幅の上昇となっている。しかし,そのような介護保険サービス分野では,参入しやすい特徴があるため競争も激しい。各種サービスの収支差率が低下する傾向にある。大手介護企業の経営面においても,営業利益率は介護売上が大きいほど上位にあることが確認できた。つまり,介護業界でも経済の規模効果が存在する可能性は十分ある。また,介護売上原価率を比較した結果,介護売上上位の企業が原価以外の「販売費及び一般管理費」とのコスト管理は小企業より優れている可能性がある。さらに,臨時正規比率と1人当たり生産額を組み合わせで,臨時正規比率が低いほど1人当たり生産額は高い傾向にある。