著者
糸井 志津乃 Shizuno ITOI 目白大学看護学部看護学科
出版者
目白大学
雑誌
目白大学健康科学研究 = Mejiro journal of health care sciences (ISSN:18827047)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.13-17, 2008
被引用文献数
1

本稿では、思春期の子どもたちの睡眠の実態および背景を文献等で概観し、睡眠障害の予防に向けての看護の方向性を検討した。結果、思春期の子ども達は、常時、睡眠時間が短く睡眠不足がみられていた。不十分な睡眠により慢性的に疲労感が残り、精神衛生が悪い傾向にあった。思春期の子ども達の睡眠障害を予防するためには、子ども達自身が睡眠の心身への影響に対しての問題意識をもち、嗜好品、学習と余暇時間のバランス、寝室環境、日中の運動と光、仮眠といったライフスタイルの改善を図ることが必要である。また、思春期という精神的にアンバランスな時期にあることを考慮し、自我形成や問題解決能力の向上を図れるようサポートしなければならない。看護者は家族に対しても日ごろから予どもの様子を観察する視点や方法、ライフスタイルの検討、彼らの精神的サポートについて、健康教育・保健指導の中に含めることが望まれるであろう。