著者
山田 茂夫 加山 英 徳田 雅史 立野 祐子 相内 聖峰
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.99-102, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
6

両耳の外耳道に耳垢腺癌が同時発生した1歳,スコティッシュホールドを経験した。肉眼所見として,左外耳道には5 mm径の自壊した出血性暗色丘疹,右には隣接した各3 mm径の暗赤色および黒色丘疹がそれぞれ外耳道開口部内側皮膚のほぼ同位置に観察された。両耳に外耳炎は認められなかった。病理組織学検査では左右ともに耳垢腺が強い異型性と浸潤性を有し,大小の塊状に乳頭状―腺様増殖していた。この結果から,両耳共に丘疹を含むように外耳道皮膚および耳介軟骨を拡大切除した垂直耳道切除術を実施した。術後1年間において再発は認められなかった。
著者
相内 聖峰 小林 賢一 黒崎 映子 佐久間 貞重
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.177-181, 1986-02-15

74週齢の雄 Sprague-Dawley ラット1例の胸部脊髄に星状膠細胞腫が観察された。組織学的には, 密に増生した腫瘍細胞は明瞭な神経膠線維を随伴した多面形を示し, ヘマトキシリンに濃染する卵円形核と比較的乏しい細胞質を有していた。神経膠線維酸性蛋白(GFAP)に対する免疫組織化学法ではいくつかの腫瘍細胞が陽性を示した。電顕的には, 腫瘍細胞は細胞質内の種々の小胞と乏しい微細線維により特徴づけられた。