著者
坂和 正敏 矢内 克裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.674-681, 1998-04-25

本論文では、非凸の多目的非線形計画問題に焦点をあて, 浮動小数点型遺伝的アルゴリズムを用いた対話型ファジー満足化手法を提案する.各目的関数に対する意思決定者のファジー目標をメンバーシップ関数で規定した後, 意思決定者が設定した基準メンバシップ値に拡張ミニマックスの意味で近いパレート最適解を求め, 意思決定者が満足しなければ基準メンバシップ値を対話的に更新することにより, パレート最適解の集合の中から意思決定者の満足解を導出するという対話型ファジー満足化手法を提案する.ここで, 拡張ミニマックス問題に, Michalewiczらによって提案されたGENOCOP IIIを適用してパレート最適解を求める代わりに, GENOCOP IIIの問題点に対処するため, 初期実行可能解の効率的探索と2分法による実行可能解の探索を導入した改良型GENOCOP IIIを適用して, より効率的に求めることを提案する.数値例により提案した手法の妥当性を示す.