著者
永屋 恵子 横井 秀格 成井 裕弥 春山 琢男 吉井 良太 矢内 彩 芳川 洋 池田 勝久
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.114, no.8, pp.726-730, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1 1

症例は21歳の男性. ウイルス性咽頭炎の診断で入院加療となったが, 入院後全身状態が悪化し, 骨髄穿刺検査所見により血球貪食症候群と診断された. 患者が同性愛者であったことからHIV抗体を測定したが, 陰性であり, その後HIV-1 RNA定量よりHIVウイルス感染症と判明し, HIV初感染によるVAHSと診断した.本症例の経験から, ウイルス性咽喉頭炎様の症状が長引く時には急性HIV症候群も考慮し, HIV抗体のみならず, HIV-RNA量を測定する必要があると考えられた.