著者
安部 耕造 矢口 学 嶋瀬 俊太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.400-405, 2011 (Released:2011-10-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1 3

科学技術振興機構(JST)は,2008年12月に行った調査に引き続き,企業における電子ジャーナルの導入等に関するアンケート調査を2011年2月から3月にかけて実施し,企業等に所属するJDreamII利用者507名から回答を得た。その結果,企業での電子ジャーナル導入状況は前回の調査から若干の進展が見られるものの,いまだ低い水準にとどまっていることが明らかになった。
著者
矢口 学
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.1020-1030, 1998
被引用文献数
1

科学技術振興事業団は,平成9年8月よりファクトデータベースシステム"ChemSource"のインターネット提供を開始した。このシステムは"JOIS-F"システムより継承した「熱物性データベース」,「結晶構造データベース」,「質量スペクトルデータベース」を搭載しており,インターネットならではのGUI検索や,Javaによる高度なグラフィック表示を実現しているが,現在無料での提供が行われており,特別な登録手続き無しに利用できる。本稿はとくにその利用法を中心に,システムを紹介するものである。
著者
菱沼 光恵 田中 陽子 矢口 学 桒原 紀子 野本 たかと
出版者
一般社団法人 日本障害者歯科学会
雑誌
日本障害者歯科学会雑誌 (ISSN:09131663)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.605-615, 2015 (Released:2016-02-29)
参考文献数
73

口腔常在菌が口腔疾患だけでなく全身疾患の誘発に深く関与することが明らかにされてきている.障害児者や高齢者にとって,Porphyromonas gingivalis (P. gingivalis)を含む口腔常在菌を起因として,口腔機能や免疫機能の低下が相まった際に誘発される誤嚥性肺炎は,きわめて重篤な疾患となる.糖非分解性細菌であるP. gingivalisによってエネルギー獲得のために産生されたプロテアーゼは,タンパク質の代謝のみならず病原性にも関与しているとされている.P. gingivalisのゲノム解析が行われ,菌株の間で頻繁なゲノム再構成が起こっていることが明らかにされ,最近の研究でP. gingivalisのもつ線毛の遺伝子型(fimA)によってIからV型に分類した場合,fimA II型が進行性の歯周病患者に多いことが報告されている.また,P. gingivalisの産生するAminoacyl-histidine dipeptidase (PepD)はfimA II型に多く発現するプロテアーゼであることが明らかにされている.しかしながら,PepDに焦点をあてた報告はほとんどない.そこでわれわれはfimA II型P. gingivalisのPepDに着目し,気管上皮細胞に対する為害性について検索した.さらに将来的な新規分子標的治療薬開発の足掛かりとして,PepDを標的とした阻害剤についても,fimA I型P. gingivalisの増殖抑制効果が報告されているベスタチンを中心に検討を加えた.その結果,PepDは菌自身の生存に関与するだけでなく生体為害作用をもつことが明らかにされた.さらに,PepDがベスタチンの標的酵素であることが示唆され,P. gingivalisによって誘発される慢性炎症への新規治療薬としての可能性があることが考えられた.