著者
松本 ゆかり
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.90-95, 2022-12-31 (Released:2023-01-27)

札幌医科大学附属総合情報センターでは,急激に世代交代が行われている。正職員が担っていた業務を非常勤職員や外部委託に転換することにより正職員の定員が削減されたうえ,正職員は専門職ではなく,異動のある一般事務職へと扱いが変化した。開学以来の大きな変化であるこの出来事の記録として,世代交代と非専門職化の影響をメリット・デメリットの両面から考察した。大学の職員であるという立場の中で,図書館の専門性をどのように確保していくのか,現在行っている対応についても触れる。
著者
遠藤 昌克
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.13-19, 2022-04-30 (Released:2022-05-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1

オープンアクセス(OA)で出版される論文数は近年急速に増加しており,約9割のジャーナルでOA出版のオプションを提供しているシュプリンガー・ネイチャーでは,ハイブリッドジャーナルの機関購読コストの一部をOA出版コストと組み合わせる転換契約を展開してきた。転換契約は,従来の図書予算への依存度を下げつつ,研究成果の迅速なアクセス,共有および利用を永続的に保証するゴールドOA出版による論文数を飛躍的に増加させる効果的なモデルと言え,研究成果の国際的な発信力を高めるためにも,日本での導入に向け積極的な検討が期待される。
著者
佐藤 翔 サトウ ショウ SATO Sho
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.121-132, 2009

学術情報をめぐる評価指標の近年の動向について,Impact Factorと5年ImpactFactor,h-index をはじめとする指標群,EigenfactorとArticle Influence,Usage Factor等の利用に基づく指標群を中心に紹介する。また,その中でJournal Citation Reportsに2009年のバージョンアップで新たに導入された指標とImpact Factor,総被引用数の関係を7つの分野を例に分析し,新規導入指標の意義について検討した。分野によって新規導入指標と従来からある指標の関係は異なり,いずれの指標を用いる際にも評価対象の傾向とそれぞれの指標の特徴を理解しておく必要がある。
著者
吉田 杏子
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.25-30, 2012

解説/特集東邦大学では、経費削減を目的に、2008年、エルゼビア社の電子ジャーナルを、包括契約方式から、大学として重要と判断したタイトルの個別契約と、非購読タイトルを論文ごとにPayPerViewで利用する契約との組み合わせ方式に移行した。利用可能なタイトル数は包括契約時と同等を維持しながら、2008年は23%のコストダウンに成功した。今後の課題は、第1に、非購読タイトルについて、機関リポジトリ等のオープンアクセスで利用可能なもの、冊子体で所蔵するもの、PayPerViewを利用するものなど、利用者にとって適切な入手経路を示すこと、第2に、契約するタイトルを選定する方法の効率化である。外国雑誌の価格高騰への有効な手段の1つと認められる本学の契約方式を拡大するため、電子ジャーナル提供元には、非購読タイトルをPayPerViewで提供するなど、機関向けの柔軟な契約プランの提示を望む。(著者抄録)
著者
石関 莉奈
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.73-81, 2021-08-31 (Released:2021-12-22)
参考文献数
3

市民の健康・医療情報ニーズの高まりを受け,公立図書館でも健康・医療情報サービスの提供が進んでいる。埼玉県立久喜図書館では,講演会や資料展示を行う形でサービスを開始し,現在はコーナーの設置,外部機関との連携事業,県民に向けたヘルスリテラシー支援に加え,イベントの開催・情報の提供,研修会実施などの市町村立図書館への支援を行っている。本稿では,埼玉県立久喜図書館で取り組んでいる健康・医療情報サービスを紹介するとともに,健康・医療情報サービス提供における公立図書館の強みと意義について考える。
著者
山之城チルドレス 智子
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.111-117, 2023-12-31 (Released:2024-01-25)
参考文献数
14

2023年G7開催後,オープンサイエンスについて議論が高まっている。日本でも研究のオープンアクセス(OA)化を求めるポリシーが検討され,研究を迅速に発見・アクセスでき,再利用可能な形式やフォーマットで提供することへの需要が高まっている。この動きの中で2022年に筑波大学の発案でスタートしたJapan Institutional Gateway(JIG)は,大学の規模に関係なく,どの機関でもオープンサイエンスを実践することができる新しい学術出版形態のオプションとなっている。最大の特徴は人文社会科学分野の日本語論文を2か国語でOA出版することが可能な点であり,一定の条件を満たせば,国際的な論文データベースに論文が収載される。言語や分野に縛られず研究成果を発表できるだけでなく,オープンサイエンスを実践してその効果を個々の研究者が体験できるモデルとなっている。
著者
三輪 亮寿
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.249-253, 1995-07-31 (Released:2011-09-21)

Now that the Product Liability Law directly applies to pharmaceutical companies, their responsibility is much greater than before. Although the Product Liability Law does not directly apply to doctors and to pharmacists who are engaged in the preparation of medicines, they will indirectly but greatly be influenced by it as a result of the Product Liability Law being applied to the pharmaceutical companies.