著者
岡本 博 矢田 祐之 堀内 佐智雄 鹿野田 一司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

分子内あるいは分子間のπ電子の移動が分極の起源である電子型有機強誘電体(TTF-CA、α-(ET)2I3、クロコン酸)を対象とし、テラヘルツ電場パルスによるサブピコ秒の強誘電分極変調に初めて成功した。また、TTF-CAの常誘電相にテラヘルツ電場を印加することにより、サブピコ秒の時間で強誘電相の約20%の巨大分極を誘起できることを明らかにした。このような高速高効率の分極応答は、電子型誘電体に特有のものであることを示した。本研究で実証したテラヘルツパルスによる分極制御法は、高速の光変調や光スイッチに応用できるものであり、今後、基礎、応用両面からの研究の進展が期待される。