著者
矢野 忠徳 山本 公平 斎藤 宏 高山 卓美
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1427-1432, 1967-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
9

1) 4品種の青梅 (鶯宿, 長束, 白加賀, 養老) を使用し, アルコール濃度, 砂糖濃度および浸漬期間の3つの製造要因を, L4 (23) 型直交表に割りつけ, 合計16種の梅酒を仕込み, 梅酒の品質および各種歩合におよぼす影響について検討した。2) 粕歩合に対して, 品種は5%有意水準で有意であり白加賀が最も低く, 品種は大粒で適度に熟したものが良かった。アルロールおよび砂糖濃度は1%有意水準で有意で, いずれも濃度の高い方 (60%および70%) が低かった3) 酸溶出量に対しては, 品種は1%有意水準で高度に有意で, 長束>鶯宿>白加賀>養老の順に多かった。砂糖濃度は1%有意水準で有意で濃度の高い方が, 又浸漬期間は5%有意水準で有意で浸漬期間の短い方が多かった。4) アルコール回収率に対しては, 砂糖濃度のみ1%有意水準で有意で, 濃度の高い方が良かった。5) 色度に対しては, 品種は1%有意水準で有意であり, 長束>白加賀>鶯宿>養老の順に濃かった。アルコール濃度は1%有意水準で有意で濃度の高い方が, 砂糖濃度は5%有意水準でいずれも濃度の高い方が濃かった。6) 官能検査の結果, FISHER法では, 品種は5%有意水準で有意であり, 養老>白加賀>長束>鶯宿の順で良かった。砂糖濃度は1%有意水準で有意で低濃度の方がよかった。RANKIT変換法では, アルコール濃度が1%有意水準で有意で低濃度のものが良く, 砂糖濃度は5%有意水準で有意であり, 低濃度のものが良かった。