- 著者
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原 征彦
石上 正
- 出版者
- Japanese Society for Food Science and Technology
- 雑誌
- 日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.12, pp.996-999, 1989-12-15 (Released:2011-02-17)
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
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27
41
緑茶抽出液から得られた粗カテキンとその分画精製物4種類ならびに紅茶抽出液から得られた粗テアフラビンとその分画精製物4種類を用いて,茶ポリフェノール類の代表的な食中毒細菌16株に対する抗菌活性をMICにより調べた.茶ポリフェノール類は,腸炎ビブリオを含むVibrio属3菌株,黄色ブドウ球菌,ウェルシュ菌,セレウス菌, P. shigelloides, A. sobriaに対して1000ppm以下の濃度で明確に抗菌活性を有していた.一方, A. hydrophila subsp. hydrophila,病原大腸菌,細胞侵入性大腸菌,ゲルトネル菌,ネズミチフス菌, Campylobacter属2菌株, Y. enterocoliticaに対しては,その効果はほとんどみられなかった.茶カテキン類では, ECやEGCよりもこれらにガレート基の結合したECgやEGCgの方が高い抗菌活性を示した.茶テアフラビン類では,分画精製物はどれも同様の効果を示し,粗テアフラビンはそれらよりも高い抗菌活性を有していた.茶ポリフェノール類の抗菌スペクトルには,一定の傾向はみられなかった.