著者
山下 忠幸 三須 幹男 山本 志郎 寺田 弘 石井 祥之
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.27-"42-2", 1963-12-25

いわゆるホモの不妊の原因を形態学的に明らかにする目的で,東北海道の3ミンク飼育場で蒐集したホモ3種類の合計50個体および対照としての3品種の合計33個体の尿生殖器についてまず肉眼的観察を行ない,次のような成績をえた。1)一側の泌尿器に異常が認められた個体に,同時に同一側の生殖器にも異常が認められたもの(尿生殖器異常群)がNAMRのHomo Sapphire3例中1例(33.3%)およびHomo CCPastel19例中7例(36.9%),またTAMRのHomo Sapphire21例中3例(14.3%)に発見れた。2)一側の生殖器にのみ異常が認められるものがNAMRのHomo CCPastel19例中2例さ(14.3%)に観察された。3)対照としての3品種33例および品種不詳の500剥皮屍体には尿生殖器あるいは生殖器の異常なものは1例も発見できなかった。4)尿生殖器異常群の肉眼的異常所見として,一側の腎臓欠損とこれにともなう腎脈管および尿管の欠如,さらに泌尿器異常側の腹部潜在精巣あるいは精巣上体,精管の欠如が観察され,これら異常の出現様式によって尿生殖器異常群を3型に分類した。5)生殖器異常群の2例中1例は左側の腹部潜在精巣と同側の精巣上体,精管を欠如していたもので,他の1例は右側の鼠径部潜在精巣を示していたものである。6)尿生殖器の異常側の出現頻度には差がみられなかった。7)ミンクの正常腎は左右ほぼ同様の形態を示し,一般に菜豆形を呈する。8)ホモにおける一側腎臓欠損例の他側残存腎は個体によって長径,幅径,厚径それぞれの増加率で異なるために,一律な形態を示さなかったが,形態のいかんにかかわらず残存腎は正常腎のほぼ2倍の重量増加を示すものが多かった。9)ミンクの精巣は採皮時期において蜿豆豆形を呈するが,繁殖期においては長径が短径および厚径に比べその増加率が著しく大である結果,厚い丸味を帯び,あたかもラッキョウ様の形態をとるようになる。10)ホモの精巣は他品種の精巣に比べ極めて発育が悪く,採皮時期,繁殖期ともホモの精巣は他品種の精巣の約1/2の重量を示すに過ぎなかった。11)ミンクの精巣は対照,ホモとも左精巣が右精巣より重いものが多かった。