- 著者
-
三宅 義和
牟田 哲也
石塚 勝也
白石 智之
岩崎 仁
森 康維
- 出版者
- 公益社団法人 化学工学会
- 雑誌
- 化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.5, pp.929-935, 1995-09-10 (Released:2009-11-12)
- 参考文献数
- 12
水溶液中でのテトラクロロ金 (III) 酸のアセトンジカルボン酸による還元反応を紫外・可視分光光度計で測定した.金イオン濃度の減少速度は, 210nmでの吸光度の時間変化から得られ, その反応速度は金イオンとアセトンジカルボン酸濃度に比例した.その速度定数の活性化エネルギーの値が-21.2kJ/molと得られ, この過程が金コロイドの核生成過程に対応していると推論された.一方, 生成した金コロイドは530nm付近に最大吸収波長があり, その波長での吸光度の時間変化は誘導時間を有し, シグモイダル曲線で表された.誘導時間は金イオン濃度, アセトンジカルボン酸濃度及び温度の増大につれ減少した.この過程の活性化エネルギーの値は85kJ/molであり, この誘導期間中に金コロイドの成長が進行することが示唆された.