著者
前田 剛 春山 秀遠 山下 正義 大野 奈穂子 石崎 菜穂 長谷川 一弘 田中 茂男 渋谷 諄 小宮 正道 牧山 康秀 秋元 芳明 平山 晃康 片山 容一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.517-522, 2006-07-20
被引用文献数
4

スポーツによる顎顔面骨骨折は,交通事故,転落・転倒に次いで3番目に多く,10〜20歳代の男性が大多数を占めた.種目では野球/ソフトボールが最も多く,次いで空手,サッカー,ラグビー,ボクシングの順であった.受傷原因は,格闘技においては全例が打撃を含めた対人衝突であったが,球技においても大多数が対人衝突による受傷であった.骨折の好発部位は下顎骨体部であり,多発骨折例では下顎骨体部と対側の角部との骨折が最も多く認められた.スポーツによる頭蓋顎顔面骨骨折の特徴を十分理解したうえで,マウスガードやフェイスガード付ヘルメットなど各種スポーツの特性にあった予防対策の検討を行うことが必要であると考えられた.