著者
石川 一葉 松本 希 東野 好恵 田泓 朋子 中川 尚志
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.328-335, 2021-08-30 (Released:2021-09-22)
参考文献数
18
被引用文献数
1

要旨: 聴覚情報処理障害の検査として使われている聴覚情報処理検査 (APT) の正常聴力成人の基準値を決定した。健聴ボランティアを募集し, 20歳から37歳の成人21名の協力を得た。標準純音聴力検査, Fisherの聴覚的問題に関する質問紙日本語版, 小渕の聞こえにくさのチェックシートの全てで異常なしと判定された20名の APT 結果を集計した。平均 ± 2 × 標準偏差を基準範囲とし, 低成績側の限界を基準値とした。各項目の設問数と基準値を元に, 基準を満たす最低の正答数の百分率を各項目のカットオフ値とした。また, 検査項目毎の正答率とカットオフ値が一覧できるように工夫した APT 記録用紙を作製した。
著者
君付 隆 松本 希 大橋 充 梅野 好啓 野口 敦子 石川 一葉 築地 宏樹 小宗 静男
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.197-202, 2012 (Released:2013-09-01)
参考文献数
20

耳鳴と聴覚過敏(hyperacusis)はしばしば合併する。両者が異なる病因を持つのか、あるいは同じ病態を二面性に捉えているのかは不明である。今回、無難聴性耳鳴患者 80 名と聴力正常の聴覚過敏患者 24 名に対して SISI 検査、MCL・UCL 検査、自記オージオメトリー検査、Metz 検査を施行し、リクルートメント現象の陽性率を比較することにより耳鳴と聴覚過敏が区別できないか否か検討した。両患者に陽性率の差は認めなかったが (耳鳴患者25 - 63%、聴覚過敏患者 33 - 38%)、症状を有する耳として比較すると聴覚過敏耳で陽性率が高い傾向にあった(耳鳴耳 10.3%、聴覚過敏耳 15.5%)。