著者
石川 大輝 浅野 光行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.889-894, 2012

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、首都圏において鉄道の大幅な運転見合わせなどの様々な問題を引き起こした。鉄道の運行停止により、人々は帰宅時に普段とは異なる選択を強いられ、その結果駅での人々の滞留や歩道に徒歩帰宅者が溢れるなど多くの混乱が生じた。今後、地震発生時における帰宅者への対策を検討する際には、今回の経験を活かしていくことが求められる。そこで本研究では、東北地方太平洋沖地震発生時における帰宅行動の実態把握を行った。また、帰宅行動における様々な選択行為について要因分析を行うことにより、帰宅行動の特性を明らかにした。さらに、地震発生時における帰宅者に対して「一斉帰宅の抑制」を促すための方策の検討を行った。