著者
熊谷 康太 石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.497, pp.49-54, 2014-03-15

近年,組込みシステムの大規模化,複雑化が進んでいる.そのため,組込みソフトウェア開発における機能更新の容易性と生産性の向上が重要となっている.また,組込みシステムの大規模化と複雑化により,十分に検証することが困難なシステムが増加しており,安全性の担保も重要となっている.一方で,組込みシステム向け軽量スクリプト言語が開発されており,この言語は開発における機能更新の容易性と生産性が高いという性質を持っている.しかし,安全性を担保するには,まだ機能の面で不足する点が存在するという問題がある.本研究では,組込みシステム向け軽量スクリプト言語であるmrubyへアクセス制御機構を導入し,安全性を担保できる実行環境を提案する.提案するアクセス制御機構は,リアルタイム制御アプリケーションを用いて評価する.評価の結果から,mrubyに対してアクセス制御機構を導入する影響は小さいと考える.
著者
加藤 寿和 石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.27, pp.1-6, 2013-03-06

近年,大規模化するリアルタイムシステムにおいて,メモリ保護機能が必要となっており,その実現のためにMMUが使用される.MMUでは,TLBというキャッシュ機構を使用するが,TLBミスの発生を予測することは難しく,そのために,最悪実行時間の予測が困難となる.本研究では,まず,リアルタイムシステムにおいて,TLBミスが最悪実行時間へ及ぼす影響を調査する.次に,その影響を低減させるための,TLBロック機能を用いた改善手法を提案する.そして,評価実験により,提案手法の有効性を示す.
著者
石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4_161-4_181, 2012-10-25 (Released:2012-11-25)

近年,組込みリアルタイムシステムにおいてもメモリ保護機能が重要となっており,メモリプロテクションユニット(MPU)という,メモリ保護機能の実現をサポートするハードウェアを搭載したプロセッサが存在する.MPUを用いる場合,同じアクセス権を設定する必要のあるコードやデータを連続した番地に配置するように,静的にメモリ配置を行う必要がある.本論文では,メモリ保護機能を持ったリアルタイムOSとして開発した,TOPPERS/HRP2カーネル(HRP2)について述べる.HRP2カーネルは,MPUによるメモリ保護をサポートできるように,静的コンフィギュレーション時において,メモリ配置を静的に行い,同じアクセス権を設定する必要のあるコードやデータを連続して配置する.そして,メモリ保護属性の異なるコンテキストへ切り替わるとき,同時にMPUの設定情報を書き換えることによって,MPUを用いたメモリ保護機能を実現している.HRP2において,メモリ保護機能を持つことによって生じるオーバヘッドを,メモリ保護機能を持たないリアルタイムOSと比較することで評価した.
著者
熊谷 康太 石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.497, pp.49-54, 2014-03-08

近年,組込みシステムの大規模化,複雑化が進んでいる.そのため,組込みソフトウェア開発における機能更新の容易性と生産性の向上が重要となっている.また,組込みシステムの大規模化と複雑化により,十分に検証することが困難なシステムが増加しており,安全性の担保も重要となっている.一方で,組込みシステム向け軽量スクリプト言語が開発されており,この言語は開発における機能更新の容易性と生産性が高いという性質を持っている.しかし,安全性を担保するには,まだ機能の面で不足する点が存在するという問題がある.本研究では,組込みシステム向け軽量スクリプト言語であるmrubyへアクセス制御機構を導入し,安全性を担保できる実行環境を提案する.提案するアクセス制御機構は,リアルタイム制御アプリケーションを用いて評価する.評価の結果から,mrubyに対してアクセス制御機構を導入する影響は小さいと考える.
著者
原拓 石川拓也 大山博司 高田広章
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2012-EMB-26, no.1, pp.1-8, 2012-09-03

本研究では,組込み向け TCP/IP プロトコルスタックの UDP 機能を, TECS を用いてコンポーネント化する. TECS は組込み向けコンポーネントシステムであり,小さいオーバヘッドでコンポーネント化できる.コンポーネント化により,拡張性や変更容易性といったコンフィギュラビリティのあるプロトコルスタックを実現することを本研究の目的としている.開発したプロトコルスタックを既存のものと比較した結果,小さいオーバヘッドでコンポーネント化ができ,コンフィギュラビリティが向上していることを確認できた.
著者
石川 拓也 安積 卓也 一場 利幸 柴田 誠也 本田 晋也 高田 広章
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.4_158-4_174, 2011-10-25 (Released:2011-11-30)

本論文では,組込み向けコンポーネントシステムであるTECSの仕様に基づいて開発した,LEGO社製MindstormsNXT用ソフトウェアプラットフォームATON(ASP+TECS On NXT)について述べる.ATONは,TECSを用いることにより,未使用デバイスのデバイスドライバの取り外しによるメモリ使用量の削減を可能とし,また,モデルを用いたソフトウェア開発との親和性を高めている.これらを実現するために,タスクやセマフォなどのリアルタイムOSの扱うオブジェクトやNXTに搭載されているデバイスのデバイスドライバをTECS仕様に従ってコンポーネント化している.倒立二輪ライントレースロボットの制御ソフトウェアをATON上に実装する事例によりATONの有用性を示した.