著者
赤坂 清和 高倉 保幸 陶山 哲夫 石川 雅樹
出版者
社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
埼玉理学療法 (ISSN:09199241)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.2-7, 2001 (Released:2003-07-03)
参考文献数
19
被引用文献数
1

高齢者の転倒による受傷が多い大腿骨頚部・転子骨折の理学療法を行う場合、寝たきりを予防するためにも出来るだけ早期より立位歩行練習を行うことが推奨されている。理学療法士は骨折部の固定性、術側下肢の荷重量、整形外科的治療後の合併症に対して充分な知識を持ち、患者が訴える疼痛を予測し、実際に疼痛がある場合には迅速かつ適切に対応できなくてはならない。本稿では、大腿骨頚部・転子部骨折の分類に対する理解を深め、大腿骨頚部骨折では、Cannulated Cancellous Hip Screw(CCHS)、ハンソンピン、セメント人工骨頭置換術における理学療法の実際とその注意点、大腿骨転子部骨折では、Compression Hip Screw(CHS)およびγnailによる骨接合術後の理学療法および理学療法を遂行する上での注意点を簡潔にまとめた。