著者
石村 宇佐一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究は大別して二つになる。A. トランポリン選手における心理的スキルトレーニングの縦断的検討。トランポリン選手に対する長期間のメンタルトレーニングの効果を明らかにする目的で、全日本選手権9連覇しているFuru Akiko選手を対象に、心理的スキルについて検討した。その結果は以下のとおりであった。1. 心理的スキルトレーニングの一つである目標設定の成果は、自己動機づけのレベルも高まり、自分の目標と練習すべきか活動がより明確になった。2. 六年間に渡る三つの心理検査(PPI,DIPCA2,POMS)は、自己の心理的スキルの効果やオーバートレーニングの状態を把握することができた。さらに、自分の進歩に関する情報の活用と自己認識を見直し、継続的改良に取り組むことが認められた。B. バスケットポール選手におけるFoulshot時とイメージ想起時の脳波活動の検討。本研究の目的は、金沢大学女子バスケットボール選手を対象に、バスケットボールのFoulshot時とイメージ想起時の脳波活動を脳波含有量から検討することであった。Foulshot時とイメージ想起時の脳波を頭頂部(C3,C4)後頭部(O1,O2)において、α1、α2、α3,β波の4帯域に関して測定した。同様に、安静時の脳波含有量も測定した。結果を要約すると以下のとおりである。1. バスケットボールのFoulshot時の脳波はイメージ想起時及び、安静時と比較して、頭頂部、後頭部すべての部位でβ波に有意な増加が認められた。2. イメージ想起時の脳波は、安静時と比較して後頭部位においてα2が常に有意な増加を示し、α-blockingは認められなかった。