著者
石橋 信江 東 ますみ 藤永 新子 西村 治彦
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.219-228, 2018
被引用文献数
1

<p><b>目的:</b>慢性心不全患者への遠隔看護介入モデルが入院リスクの軽減,QOLの維持・向上に有用であるかを検証する.</p><p><b>方法:</b>入院を繰り返す65歳以上の慢性心不全患者11名にビデオ通話による看護介入を1年間実践し,介入前・中・後の入院回数と入院期間,体重,血圧,BNP値と,介入前後のQOLの比較・検討を行う.</p><p><b>結果:</b>介入1回あたりの平均通話時間は11.5±3.6分で,介入前の入院回数は全員が2~5回/年だったが,介入中は9名が入院することなく,そのうち5名は介入後の1年間も入院しなかった.BNP値等の数値に目立つ変化はなく,介入後のSF-36®による心理的側面の得点が有意に高かった.</p><p><b>考察:</b>患者に合わせた短時間の集約的な介入の継続によってQOLを改善し入院を回避できたという結果から,遠隔看護介入モデルの有用性が確認できた.介入終了後も入院回避しており,在宅患者のセルフモニタリング能力の強化に繋がることが示唆された.</p>
著者
松岡 千代 濱吉 美穂 石橋 信江 堂園 裕美
出版者
佛教大学保健医療技術学部
雑誌
保健医療技術学部論集 (ISSN:18813259)
巻号頁・発行日
no.7, pp.27-39, 2013-03-01

本研究の目的は,一般病院におけるEBP 普及のための基盤作りとして,病棟におけるEBP の情報環境整備と,看護職に対するEBP 情報アクセス力と活用力の強化のための教育的介入を行い,その効果の評価を行うことである.研究対象者は,2 つの一般病院に勤務する看護職である。各病院において介入群病棟と対照群病棟を設定して,介入群病棟の看護職に対して情報環境整備と教育的介入を実施した.介入の評価は,質問紙調査によって,介入前後のエビデンスの入手に関する意識(看護情報の必要度,看護情報ツール活用の自信,看護情報の入手先)と,EBP バリアに関する意識の変化を検証した.繰り返しのある二元配置分散分析の結果,「EBP バリア」のうち,介入群において「文献収集困難」が低下し,「研究の多くが英語で書かれているので理解しがたい」が増加した.今後の課題として,教育的介入の内容,実施回数や形式の見直しを行い,さらには組織的・多面的な介入手法を取り入れてEBP 普及を進めていくことが求められる.情報環境整備教育的介入EBPハ゛リア介入研究