著者
松岡 千代 濱吉 美穂 石橋 信江 堂園 裕美
出版者
佛教大学保健医療技術学部
雑誌
保健医療技術学部論集 (ISSN:18813259)
巻号頁・発行日
no.7, pp.27-39, 2013-03-01

本研究の目的は,一般病院におけるEBP 普及のための基盤作りとして,病棟におけるEBP の情報環境整備と,看護職に対するEBP 情報アクセス力と活用力の強化のための教育的介入を行い,その効果の評価を行うことである.研究対象者は,2 つの一般病院に勤務する看護職である。各病院において介入群病棟と対照群病棟を設定して,介入群病棟の看護職に対して情報環境整備と教育的介入を実施した.介入の評価は,質問紙調査によって,介入前後のエビデンスの入手に関する意識(看護情報の必要度,看護情報ツール活用の自信,看護情報の入手先)と,EBP バリアに関する意識の変化を検証した.繰り返しのある二元配置分散分析の結果,「EBP バリア」のうち,介入群において「文献収集困難」が低下し,「研究の多くが英語で書かれているので理解しがたい」が増加した.今後の課題として,教育的介入の内容,実施回数や形式の見直しを行い,さらには組織的・多面的な介入手法を取り入れてEBP 普及を進めていくことが求められる.情報環境整備教育的介入EBPハ゛リア介入研究