著者
中村 路一 中西 一夫 石橋 慶次郎 寺尾 道也 小林 寛治 吉田 茂 田辺 克巳 鈴木 橋雄 高橋 健
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.30, no.7, pp.353-357, 1956 (Released:2008-11-21)
参考文献数
3
被引用文献数
2

1. AntiblastinはpH 2.5,温度2~5°で有機溶剤へ完全に移行し.これから更にpH 8附近のアルカリ水溶液で抽出できる.この操作を反覆して,ほぼ1/400容まで濃縮したメチレンクロライド溶液をアセトン-CO2により-40°以下に冷却することによつてAntiblastinの白色針状結晶を得ることができた. 2. 紫外部および赤外部の吸収曲線,或いは水添生成物たる飽和脂肪酸の検討により, AntiblastinはMycomycinに酷似することが判明した. 3. Antiblastinは溶液中の濃度が高まるにつれて不安定を増大し,結晶の状態では室温で単時間に褐色樹脂状物質に変化して活性を失うから, -40°以下の低温で保存することが必要である.