著者
井村 亘 福井 立基 二神 雅一 北山 順崇 石田 実知子 大東 真紀
出版者
一般社団法人 日本在宅医療連合学会
雑誌
日本在宅医療連合学会誌 (ISSN:24354007)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-9, 2022 (Released:2022-02-17)
参考文献数
18

本研究の目的は,訪問看護ステーションに勤務する理学・作業療法士(以下:訪看 PT・OT)の信念対立と精神的健康との関連を検討することである.方法は,訪看 PT・OT 91 名に対して,訪看 PT・OT の同職種,他職種,患者や家族との信念対立が精神的健康に影響するとしたモデルの適合性と関連性を検討した.結果,設定したモデルの適合度は良好な値であった.変数間の関連性は,精神的不健康と同職種,患者や家族との信念対立は正の関連性が認められ,他職種との信念対立は関連性が認められなかった.本研究結果は,訪看 PT・OT の精神的健康の向上に向けて,同職種,患者や家族との信念対立に配慮する必要性を示している.
著者
井村 亘 石田 実知子 渡邊 真紀 小池 康弘
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2-2, pp.433-439, 2018

本研究は,高校生の自傷行為に対する自己および他者に対するネガティブなスキーマと対人ストレスとの関連を明らかにすることを目的に,高校生に対して無記名自記式の質問紙調査を実施した.統 計解析には553人分のデータを使用し,ネガティブなスキーマが対人ストレス認知を介して自傷行為 に影響するとした因果関係モデルを構築し,そのモデルの適合性と変数間の関連性について構造方程 式モデリングにより検討した.仮定した因果関係モデルのデータへの適合度は統計学的許容水準を満 たしていた.変数間の関連性は,自己および他者に対するネガティブなスキーマが対人ストレス認知 に対して有意な正の関連性を示し,同時に対人ストレス認知が自傷行為に対して有意な正の関連性を 示していた.なお,本分析モデルにおける自傷行為に対する寄与率は35.0% であった.本研究結果は, 高校生の自傷行為に対する有効な支援方法の開発に対して一定の示唆を与えると考える.
著者
石田 実知子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.33-41, 2020-01-15 (Released:2020-02-04)
参考文献数
30

目的 本研究は,高校生の自他への暴力行動の予防的介入に関する知見を得ることをねらいとして,自他への暴力行動に対するレジリエンスと反すうおよび怒りとの関連について検討することを目的とした。方法 高校生1年生~3年生327人に対して無記名自記式質問紙調査を実施した。有効回収数は280票(85.6%)であった。これらのデータに対し,レジリエンスが直接的に暴力行動に影響すると同時に,反すう,怒りを通して自他への暴力行動に影響するとした因果関係モデルを仮定し,そのモデルの適合性と変数間の関連性について構造方程式モデリングを用いて解析した。上記モデルには統制変数として性別・学年を投入した。結果 仮定した因果モデルのデータへの適合度はCFI=0.980,RMSEA=0.043であった。変数間の関連性に着目すると,レジリエンスと反すうおよび自他への暴力行動間に統計学的に有意な負の関連性が認められた。一方で反すうと怒り,怒りと自他への暴力行動間は統計学的に有意な正の関連性が認められた。本分析モデルにおける暴力行動に対する寄与率は82.9%であった。なお,統制変数のうち性別のみレジリエンスと正の,暴力行動と負の統計学的に有意な関連性が認められた。結論 構造方程式モデリングを用いた分析の結果,レジリエンスは,反すうを低減させると同時に直接的に自他への暴力行動を低減させることが明らかとなった。また,反すうは怒りを介して自他への暴力行動に強い影響を与えていることが示された。レジリエンスを高めることや,怒りを増強させる反すうを抑制することが予防的介入に有効であることが示唆された。