著者
斎藤 之男 石神 重信 SHIGENOBU Ishigami
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

平成11年度(1)スイッチを使わない老老介護を目標に,これまでの基礎研究をベースにバイラテラルサーボによるオムツ交換支援ロボットの試作を行った。(2)おむつ交換は,赤子のオムツ交換姿勢がよく,股部を5cm上昇するのに体重の約1/2が先端にかかり,本システムは,約35kgfの出力(関節部で120kgf)の高出力が得られた。(3)オムツ交換支援ロボットの総重量は,約35kgfであるから,自重と同じ出力が得られたことになり,このような条件は,産業用ロボットに対しても,始めての成果である。平成12年度(1)一般の風呂へ老人を入浴させる介助用ロボットの設計を行った.自由度3の内,2自由度にバイラテラルサーボ系による動力を挿入した。設計条件は,体重60kgfとし,車椅子からの移乗により団地サイズへの入浴を目指した。(2)バイラテラルサーボ系の改良点として空気が入ることがあり,平成11年度より改良を行っているものの長期使用に際しては,シリンダの曲がり,ピストンの曲がりが生じ,設計変更を行った。平成13年度(1)本システムは,福祉用ロボットとして従来不可能であった体重を直接保持することのできるシステムから平成12年度の入浴介護支援ロボットの再検討を行った。(2)バイラテラルサーボに用いるシリンダを実用に耐える設計に改良し,試作・実験を行った。(改良品は,オムツ交換支援ロボット用として利用し,2001年10月に開催されたロボフェスタ神奈川2001に出展した。)(3)新たに二関節同時駆動用シリンダの開発を行った。(4)頸椎損傷者を対象とした上肢動力装具の設計を行った。